行動療法と短時間精神療法を組み症状を改善し得た不安神経症患者の事後経過 : 不安の精神病理
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概要
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不安神経症患者に, 系統的脱感作法による行動療法を実施した.患者との信頼関係の形成に, 行動療法3カ月前から短時間精神療法を導入し, 延べ30回の面接を行動療法と平行して行った.不安の性質をSTAIで, 不安の程度をMASで評価した.行動療法により行動範囲は拡大したが, 不安度は減少せず, むしろ行動療法終了5年後, 不安度は減少した.不安の軽減は, 短時間精神療法により患者内に主体的な不安解除の操作が習慣化したためと思われた.不安神経症患者に行動療法を実施する際には, 短時間精神療法を併用すると効果的と思われる.本症例の不安発生は未熟な自我に起因し, 短時間精神療法による自我(ego)への働きかけが不安の解除に関与したと思われた.
- 日本心身医学会の論文
- 1998-06-01
著者
-
田代 邦雄
北海道大学脳神経外科神経内科部門
-
田代 邦雄
北海道大学医学部神経内科学講座
-
杉本 是明
東北福祉大学心身医学研究室
-
杉本 是明
北海道大学教育学部特殊教育・臨床心理学教室
-
田代 邦雄
北海道大学
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