ヒラタヒメバチ属5種の北海道個体群に見られる休眠の光周反応の比較
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概要
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ヒラタヒメバチ属5種の北海道個体群における休眠誘導の光周反応と休眠覚醒条件を調査した.1. 休眠誘導の光周反応には種により違いがみられ2つの型に分けられた.I型は短日の条件下の日長に明瞭に反応し深い休眠に入る.C. pluto, C. instigator, C. alboannulatus, C. aquilonius japonicusがこの型に属する.II型は20°C, 17°Cの短日条件下では,発育にばらつきが生じ散発的な羽化がみられた.C. disparisがこの型に属する.2. 休眠ステージはI型の種は終齢幼虫で,II型の種は前蛹であった.3. C. aquilonius japonicus以外の種で調べたところ,休眠ステージの直前の発育段階で短日を経験すると,どの種も休眠が誘導され,その条件が持続すると休眠が維持された.4. ヒラタヒメバチ属5種の休眠覚醒には必ずしも低温の経験を必要とせず,短日から長日に移し替えると休眠が覚醒した.I型の種では20°Cから25°Cの温度変化のみでは覚醒しなかったが,II型の種は15°Cから20°Cまたは25°Cに移し替えると覚醒した.5. ヒラタヒメバチ属5種の北海道個体群の休眠型による類縁分けは,分布型による地縁グループよりも系統にもとづくグループの分け方により密接に関係していると考えられた.
- 1998-08-25
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