口腔・顔面感覚情報による頸背筋活動の反射性制御
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概要
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麻酔したネコの歯や口腔粘膜からの感覚情報を伝える上歯槽神経の電気刺激で, 背側部頸筋群を支配する第2頸神経から大きな振幅の反射性神経活動(三叉-頸筋反射)が誘発された.この反射応答は, 顔面皮膚感覚情報による2種類の応答と同じく弱い刺激で誘発されることから, 歯根膜や口腔粘膜中の触, 圧受容器からの感覚情報が反射の誘発に関わっていることが示された.また, 口腔および顔面皮膚感覚情報によるそれぞれの応答は, 刺激強度の増加で潜時が短縮し振幅と持続時間がともに増大した.種々の刺激条件での潜時と神経活動量との関係を調べ, 神経活動量がほぼ同じ大きさになる条件で各応答の潜時を比較したところ, 口腔感覚情報による応答と上唇部からの感覚情報による応答が極めて類似することが判明した.この結果は, 口腔と上唇部からの感覚情報が頭頸部の反射性の運動制御によく似た役割を果たしていることを示唆している.一方, 麻酔したウサギの場合, 鼻部からの感覚情報を伝える眼窩下神経の刺激では振幅の大きな反射応答が誘発されるものの, 上歯槽神経や上唇部からの眼窩下神経の刺激では非常に小さな応答しか記録できなかった.これらの応答の閾値や潜時に差が認められないことから, ウサギの三叉-頸筋反射には鼻部からの感覚情報による唯一の応答しか存在しないことが示された.
- 1994-12-21
著者
-
宗形 芳英
奥羽大学歯学部口腔生理学講座
-
丸井 隆之
奥羽大・歯・口腔機能分子生物
-
辻 満
奥羽大学・歯・口腔生理
-
丸井 隆之
奥羽大学歯学部口腔機能分子生物学講座
-
辻 満
奥羽大学歯学部口腔生理学講座
-
宗形 芳英
奥羽大学歯学部口腔機能分子生物学講座口腔生理学分野
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