在宅高齢者の主観的健康観と痛みとの関連

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在宅高齢者604名の主観的健康感と痛みの実態を明らかにし, さらに, 両者の関係を検討した結果, 次のことが示された.身体的な慢性痛を抱えている者は61.8%で, 下肢痛と腰背部痛を訴える者が多かった.また, 男性に比べて女性の慢性痛保有者が有意に多かった.慢性痛保有者の主な日常生活の不自由は正座と階段昇降であった.Short-Form36 bodily pain scoreによる痛みは, 男性に比べて女性が有意に強い痛みを訴えた.また, 感覚器系の痛み, 下肢痛, 腰背部痛を抱える者の痛みが強かった.主観的健康感は71.2%の者が良好であった.感覚器系の痛み, 下肢痛, 腰背部痛のある者, および痛みの程度が強い者, 日常生活に不自由がある者は, そうでない者に比べて有意に主観的健康感が不良であった.老研式活動能力指標(IADL)の手段的自立と知的能動性に関する内容が, 可能な者に比べて不可能な者は有意に主観的健康感が不良であった.PGCモラールスケールでは, ほとんどの項目でモラールが良好な者に比べて不良の者は有意に主観的健康感が不良であった.以上のことから, 主観的健康感を高めるためには, IADL, モラールを良好に保つこと, 下肢痛や腰背部痛を軽減し移動能力を維持することの必要性が示唆された.
富山大学の論文

在宅高齢者の主観的健康観と痛みとの関連

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