脳性麻痺による頸椎症性頸髄症 (<特集>脳性麻痺研究の到達点)
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概要
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アテトーゼ型脳性麻痺患者では、若年より頸椎症性頸髄症、神経根症を発症し、さらなる運動能力の低下を生じてくる症例がある。この事実は案外知られていない。頸椎症性頸髄症、神経根症とは、頸椎が傷み、頸髄や神経根を圧迫し手足がしびれ、動かしにくくなってくる病気で、(1)手指巧緻性障害、(2)歩行障害、(3)排尿障害、(4)三角筋、上腕二頭筋筋力低下による上肢挙上あるいは肘関節屈曲障害、(5)時には頸椎運動で増強する頸肩腕、肩甲部あるいは背部痛といった症状が生じる。これらが進行、増悪し、日常生活動作の低下を来せば手術適応となると考える。不断に生じる不随意運動、手術成績が不良ではないかという先入観から外科的治療の機会を逸することもあるが、手術成績は悪くない。手術は、術前にハローベストを局所麻酔下に装着し、椎弓形成術に腸骨を用いた後方固定を加えるのを基本とする。日常生活動作の明らかな、特に急速な低下を来した症例では早期に手術を受けるのが望ましい。
- 全国障害者問題研究会の論文
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