錐体外路系の解剖・疾患・画像について : 文献的考察
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概要
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ヒト中枢神経系の中で、いわゆる錐体外路はすべての脊椎動物に存在する多数の神経路の総括名として用いられている。これに関与する神経核として、Jakobは1)線条体(尾状抜と被殻)、2)淡蒼球、3)視床核、4)黒質および付属として赤核を挙げている。今回これら神経核の解剖・神経線維路・機能、および錐体外路系の代表的疾患であるパーキンソン病、舞踏病(ハンチントン舞踏病)、ジストニア、無酸素脳症、多系統萎縮症、バリズムについて、そのMRI画像所見など文献的考察を行った。 パーキンソン病では黒質-線条体のドパミン放出が減少しMRI (Magnetic Resonance Image)で黒質の特に緻密質の萎縮が、舞踏病では尾状核頭と前頭葉の萎縮および被殻にMRIのT2強調像で低信号化が見られる。ジストニアでは淡蒼球にMRIのT2強調像で高信号化が認められと言うがまだ不明な点が多い。無酸素脳症では両側被殻に壊死巣が生じ、MRIのT2強調像で被殻後外側に低信号化が認められる。多系統萎縮症では被殻の強い萎縮とMRIのT2強調像で低信号化とその外縁に高信号化が見られる。バリズムでは視床下核の障害によることが多いと言う。 錐体外路系の機能も、不随運動に関与すると言う単純なものでなく、まだまだ不明な点が多く最近の画像診断、頭部磁気刺激法などの発達により,更なる解明が進むものと思われる。
- 2003-02-28
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