ラトケ嚢胞の画像と臨床所見 : 長期経過観察例を中心に
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概要
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10例のラトケ嚢胞(手術例4,MRIでの診断例6)について,臨床症状,MRI所見および経過などについて検討を加えた。男性1例,女性9例,初診時の年齢は12〜74歳(平均40.5歳),経過観察期間は1〜14年(平均5.9年)であった。嚢胞の大きさは0.5〜2.0cm(平均1.23cm)で,トルコ鞍内限局が6例,内および上方進展が3例,上方(下垂体柄部)1例で,MRI検査で嚢胞内部がT1高+T2低〜等信号は6例,T1等+T2高〜等信号は3例,T1低+T2高〜等信号は1例であった。手術例の内3例は嚢胞の縮小と臨床症状の改善がみられ,1例は術後5年ほどで残存嚢胞の増大と下垂体機能不全が見られた。非手術例の症例番号5では13年間の経過中嚢胞は僅か増大するも臨床症状の発現はなく,また症例番号6では4年の経過中嚢胞の自然縮小が認められた興味ある症例であった。良性疾患である本嚢胞に対する手術適応は,内分泌学・眼科的検査などを十分検討しかつ慎重に決定すべきである。
- 神戸市看護大学短期大学部の論文
- 1999-03-04
著者
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