前田夕暮初期の短歌観 : 『詩歌』第一巻・第二巻をめぐって
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概要
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歌人前田夕暮は明治四十年代に若山牧水とともに自然主義歌人として歌壇に登場するが、この時代に夕暮の歌人としての基本的な短歌観が形成されたと考えられる。それは、「通例人」の生活感情を正直にうたうというものであり、処女歌集『収穫』の「自序」に端的にあらわれてはいる。しかし、時代の影響や同世代の歌人との交渉など、初期夕暮の短歌観を生動する時代潮流の中で跡づけてゆく必要があろう。その際、明治四十四年に創刊する短歌結社誌『詩歌』が重要な資料となる。前田夕暮ほ主宰者として、短歌作品や歌論の発表はもとより、歌壇作品評や結社の新人の指導など、さまざまな活動を通して、自己の自然主義的な短歌観を形成していったと考えられる。本稿ではこのような観点に立ち、『詩歌』第一巻第二巻を対象として、短歌形式そのものに対する夕暮の考え方、同時代歌人の捉え方、『詩歌』内部の新人の指導という三つの面から考察を試みた。
- 山梨英和大学の論文
- 1995-12-10
著者
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