米田雄郎ノート : 初期『詩歌』同人と前田夕暮

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概要

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歌人前田夕暮の主宰する第一期『詩歌』(明治四十四年四月〜大正七年十月)は、萩原朔太郎・山村暮鳥などの文学者に登場舞台を提供するほかに、夕暮の指導の下、すぐれた何人かの新人を歌壇に送り出したことでも知られている。熊谷武雄・金子不泣・米田雄郎・今井邦子・川端千枝らの名がすぐに浮かんでくるが、本稿では米田雄郎を取り上げ、その歌人としての歩みを考察した。本稿では、米田雄郎の初期に焦点を絞り、明治四十四年の初出詠から大正六年九月の処女歌集『日没』刊行までの歌風の進展を概観した。雄郎は仏教の寺の僧侶として日々を送りながら歌作に励むようになるのであるが、その特異な人生の歩みと歌風の展開を関連づけながら分析するようにつとめた。また、雄郎の師である前田夕暮が雄郎をいかに指導していったのか、さらに雄郎の特異な歌風が前田夕暮の歌人としての歩みにどのような影響を及ばしていったのかという点についても考察を加えた。
1993-12-10

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