飼育実験におけるマアナゴ葉形幼生の形態変化と行動について
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概要
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高知県南国市浜改田地先で採集したマアナゴの変態期葉形幼生を飼育し,活魚測定により初期変態期から初期末成魚期までの形態変化を調べ,また遊泳・摂餌行動について観察した。(1)変態期の絶対成長は,測定形質によって変化の状態が著しく異なっていた(Fig. 1 )。特に,後背鰭始部長(PD)と尾部長(CL)では,変態期の途中に極大値を示した。この時期は,臀鰭始部が腹椎骨と尾椎骨とのばぼ境界部に当る最終垂直血管の位置まで前進する時期とほぼ一致した。(2)全長に対する各測定形質の相対成長は,対数グラフで示すと(Fig. 2),く型(TL-HL),イ型 (TL-PD,TL-CL),γ型(TL-SD,TL-SA,TL-AD)および直線型(TL-SLV)の4型に大別される。(3)成魚型黒色素胎は臀鰭始部が最終垂直血管の位置に達する直後からぃ頭部背面に出現し,また側線上の白色点列はこの時期から約100日後頃に確認された。(4)変態が進み,体形が丸味をおびる頃に,底生生活に移向した。(5)摂餌は変態完了直後頃から始まり,また餌の感知はおもに嗅覚と触覚に依存すると思われる行動がみられた。
- 近畿大学の論文
- 1978-03-15
著者
-
吉松 定昭
香川県水産試験揚・香川県赤潮研究所
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吉松 定昭
香川県水産試験場
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浅野 博利
近畿大学農学部水産学科水産資源学研究室
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久保 喜計
近畿大学農学部水産学科水産資源学研究室
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久保 喜計
近畿大学農学部水産学科
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久保 喜計
近畿大学農学部水産学科水産生物学研究室
-
浅野 博利
近畿大学農学部水産学科水産生物学研究室
-
浅野 博利
近畿大学農学部水産学教室
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