赤外線選択吸収体で被覆された温室の熱的性能に関する研究

概要

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日射に含まれる赤外線の除去は高温期における温室栽培を可能にする上で有効な手段として期待されている。最近,赤外線を選択的に吸収する新しいタイプの被覆材が商品化されている。本研究においては,この選択吸収体で被覆された温室の熱特性を夏季から冬季にかけて測定し,同時に測定した同一形状の普通ガラス温室における特性と比較した。その結果,以下のことが明らかになった。夏季日中における本吸収体の昇温抑制効果は,室内空気に関しては小さいが土壌の表面に関してはかなり大きかった。室内空気の昇温を抑制する効果が小さい原因は,赤外線吸収に伴う被覆材自体の高温化か室内空気から外気への熱通過を弱めていることにある。上記の各効果は日射量が減少する秋季から冬季にかけて低下して行ったが,土壌表面の昇温抑制効果は比較的大きかった。従って,本吸政体は葉温の過度の上昇を抑える上でも有効あると考えられる.冬季の午後においては,南妻面での赤外線吸収に起因した蓄無効果が現れ供試温室内の空気温度は透明ガラス温室のそれより高温となった。このことは温室の暖房負荷削減の点で望ましいことである。夜間における両温室間の相違は各季節とも殆ど見られなかった。
岐阜大学の論文
1992-12-25

赤外線選択吸収体で被覆された温室の熱的性能に関する研究

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