赤外線吸収液流下式屋根を用いた温室内の昇温特性に関する基礎研究
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概要
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著者は前報において,赤外線の吸収屋根が温室内の熱的及び光学的環境に及ぼす影響を把握するために行った小模型による実験結果を報告した。そして特に,温室内温度上昇の抑制を促進するためには,屋根部の選択吸収体を冷却する必要があることを指摘した。本報では,この赤外線吸収屋根の性能と操作条件を確立する上で重要となる,温室内の温度特性に関して行った実験及び解析の結果について述べている。実験装置及び実験手順は,屋根の液体層厚さと人工光源の強度を変化させたことを除いて,前報で示したものとほとんど同じである。理論解析はいくつかの仮定を導入し,熱及び光学的移動現象が一次元定常状態の場合を対象として行っている。本報告で示された主な結果は以下のことである。1)温室内外の空気温度の差で定義される昇温度は屋根の液体温度と外部空気温度の差に比例する。2)昇温度の相対値は屋根面を通過して入射する日射強度(これは赤外線吸収液の濃度と厚さに応じて変化する)に比例する。3)理論解析により導出された昇温特性式は実験結果の傾向と定性的に良く一致する。
- 1989-12-25
著者
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