赤外線吸収屋根を用いた温室内の熱環境制御に関する基礎研究

概要

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夏季の昼間における温室内空気の昇温を防止することは,施設栽培における重要な問題の一つとなっている。特に植物の生育環境を制御する装置を導入した密閉型温室の場合には,この温度上昇を抑制することは空調負荷や照明負荷の軽減と関連して経済的な観点から最も重要な課題となっている。この問題の解決策の一つとして,温室の屋根に赤外線の選択吸収面を設置するということが考えられているが,これまでこの技術を用いた研究はほとんど見あたらない。本報告は,選択吸収面を用いるこの技術が温室内昇温抑制に及ぼす影響を調べるために行った実験的研究について述べたものである。実験は温室の小模型を対象として,屋根部の選択吸収面に硫酸銅水溶液を,また太陽光の代わりに人工光源を用いて行った。その結果,昇温抑制効果を促進するためには赤外線吸収液を冷却する必要があることおよび膜やガラスのような固体を赤外線の屋根吸収体として用いる場合にはそれらを屋根から分離して設置する必要があることが明らかとなった。
岐阜大学の論文
1988-12-25