浅層地下水の硝酸性窒素濃度分布に現れた不連続について : 福島盆地南部の扇状地地帯の事例
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概要
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窒素肥料の溶脱に伴う地下水の硝酸汚染の実態を把握するため、1997年9月に荒川扇状地地帯(福島盆地南部)の約90箇所で不圧地下水を採取し、硝酸イオン濃度を測定した。この濃度分布図から、1)扇状地地帯の上流側にまとまって分布する畑地(樹園地・草地を含む)が主たる窒素負荷源となっていること、2)この窒素負荷源地帯から下流方向へ濃度が急激に低下し不連続な濃度分布の形成されていることが明らかになった。新たに作成した地下水面図に基づき推定した地下水流動系を考慮すると、濃度分布に現れたこの不連続現象は、上流側の畑地で窒素負荷を受けた地下水流(硝酸性窒素濃度5〜10mg・l^<-1>)が、扇状地の中・下流部で合流する別系統の地下水流(硝酸性窒素濃度0.2mg・l^<-1>)により著しく希釈された結果であると理解された。
- 1999-07-31
著者
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