取引費用と目標時点を考慮した投機的市場モデル
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概要
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異質的期待を仮定し,不確実性下で投資家が自らの予想価格系列に基づいて個別超過需要関数を決定するモデルにより,投機的市場を分析した。取引回数に比例する費用の効果と前時点の持ち高の取引費用を通じた影響をモデルに取り入れた。目標時点は,外生的に与えるのではなく,各投資家が自らの予想価格系列に基づいて決定する。このモデルを用いて,初期時点の各投資家の予想価格系列を与えてシミュレーションを行い,価格・出来高の時系列を再現した。価格は,需給均衡により決定され,毎取引後,予想価格系列は適応的期待の考え方に基づいて修正される。現時点から目標時点までの時間間隔の分布は指数分布状になる。目標時点を各投資家が決定することで,価格変動と出来高の正の関係,及び,出来高の正の自己相関が生じることが示された。
- 慶應義塾大学の論文
- 1999-10-25
著者
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