プロフェッショナル・コミットメントの尺度の信頼性と妥当性 : 大学の研究者と企業のR&D研究者を対象とした実証
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概要
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本研究は,大学の研究者と企業のR&D研究者の593名を対象に, Aranyaなど(1981, 1984)のプロフェッショナル・コミットメントの尺度の信頼性と妥当性を検証する。信頼性は信頼性係数によって,妥当性は因子分析とCampbell & Fiske (1959)による「多特質-多方法のマトリクス(multitrait-multimethod matrix)」によって検証される。分析の結果は次の通りである。1) Aranyaなど(1981, 1984)の尺度は,全てのサンプルにおいて信頼性係数が高く,信頼できる尺度であることが分かった。2)因子分析によって差別妥当性を検証してみた結果,プロフェッショナル・コミットメントを測る項目は組織コミットメントを測る項目と異なる因子として抽出された。3)プロフェッショナル・コミットメントの尺度は,プロフェッショナルの活動と統計的に有意な相関が現れた。特に,より積極的なプロフェッショナルの活動と考えられる研究成果と有意な相関が現れ,尺度は収斂妥当性に満たされていることを強力に裏付けた。4)差別妥当性の場合,多特質-多方法のマトリクスの3つの条件の中で2つは満たされた。しかし,本研究でも同じ方法の間の相関(common method variance)が同じ特質の間の相関(common trait variance)より高かった。
- 慶應義塾大学の論文
- 1996-06-25
著者
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