飛騨川の魚類の生活 I : 上流部におけるウグイ,オイカワの食性を中心として
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概要
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1.1966年夏から秋にわたって飛騨川上流部において12の調査地点を設け藻類,底生昆虫,魚類の調査を行ない,とくにオイカワ,ウグイの食性を中心としてこれらの生活を調べあわせて無機的環境の調査を行なった.2.飛騨川上流部の河床型は可児(1944,1952)の分布様式からみるとAa型,およびAa-Bb移行型である.3.夏季における水温は7.0〜26.0℃,pHは6.9〜7.2で中性ないし微酸性または微アルカリ性である.流速は渕および特定の場所を除いては急流が多い.4.藻類は,藍藻類が5属9種,硅藻類15属40種14亜種2変種,緑藻類が6属6種で硅藻類が圧倒的に多い.5.底生昆虫は5目45種がみられ,木曽川本流,矢作川の上流に比べてはるかに個体数,現存量が大きい.6.魚類は,7科15種がみられ源流付近には,イワナ,それに近い水域においてはアマゴが分布し,上流部では,アブラハヤ,ウグイ,アジメドジョウ,カジカが優占性を示している.7.オイカワ,ウグイの消化管内容物を調べてみると(1)オイカワでは未成魚は昆虫類等動物性のものが主たる食餌となっており,成魚の場合は季節によって異なり,夏季は藻類,昆虫をともにとり,秋季は藻類が多い.(2)ウグイは未成魚では水生昆虫と藻類をともに食餌とし,成魚ではやや大型の昆虫類を主としてとっているという傾向がみとめられた.
- 1967-03-01
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