ALEJO CARPENTIER : DEL SURREALISMO AL REALISMO MAGICO
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概要
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アレホ・カルペンティエル(キューバ,1904-1980)は,ヨーロッパの前衛運動,とりわけシュルレアリスムをいち早くラテンアメリカに紹介したひとりである。そしてパリで亡命生活を送るようになってからも,ブルトンをはじめ多くのシュルレアリストと親交を結んだ。しかしながら1949年に刊行した『この世の王国』の序文において,ヨーロッパのシュルレアリスムが追い求めてきた「驚異的なもの」は,人工的に作り出すまでもなく,ラテンアメリカでは,現実のなかに日常的に見られるという認識を示した。そうした「驚異的なもの」は,この地域のさまざまな人種や文化の混合,あるいは壮大な自然などによってもたらされるのだが,民衆の「信じる力(fe)」もそれに大きく関わっていると指摘する。本稿ではカルペンティエルとシュルレアリスムの関係を明らかにしたうえで,彼が考えていた「驚異的な現実」とはいかなるものなのか,そしてそれがやがてガルシア=マルケスらのマジカル・リアリズムとどのように関わっていくのかを考察した。
- 1996-12-25
著者
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