水稲苗に対する高窒素処理と被覆尿素施用が移植後の生育と収量に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
The effects of temporally high N treatment prior to the transplanting and coating urea application on the growth and yield were investigated to develop a fertilization method for low-input rice cultivation through labor-savings and a decrease in the application amount. High N treatment and coating urea plof (LT plot : 3.15kgN / 10a), coating urea plot (L plot : 3kgN / 10a) and high N treatment plot (T plot : 0.15kgN /10a) fare the yield by 83%, 82%, and 76% of control plot (C plot : 6kgN / 10a), respectively. There was no significantly difference in the yield among the four plots. Yield of 0N plot was 69% of C plot and was significantly low compared with that of the C plot. Distinctive differences in panicle number per hill and 1000 grains weight was not found among the five plots. The spikelet number per panicle was greatest in the C plot, followed by the L plot, LT plot, T plot and 0N plot, while the differences between the L plot, LT plot and T plot were not significant. The difference in spikelet nurnber per panicle was attributed to the differences in the tillering pattern and nitrogen content per stem. The first tiller emerged from the 6th node in the 0N plot and from the 5th node in the other plots. Rice plants in the 0N plot had panicles having a smaller number of spikelets compared with those in the other plots. The top dressing for the C plot attained a higher nitrogen content per stem. Filled grain percentage was lower in the C plot than in the othor plots. From these results, it was considered that securement of a sufficient yield with labor-savings compared to standard cultivation and the decrease of the amount of fertilizer application by the high N treatment, and coating urea application would be possible.本田への施肥作業の省略と少肥栽培による低コスト稲作技術の開発を指向し,移植直前の一時的な高窒素処理と被覆尿素の併用が移植後の生育と収量に及ぼす影響について調査した。高窒素処理・被覆尿素併用区(LT区 : 3.15kgN/10a)では対照区(C区 : 6kgN/10a)の83%,被覆尿素区(L区 : 3kgN/10a)で82%,高窒素処理区(T区 : 0.15kgN/10a)で76%の収量が得られ,C区とこれら4区では有意差はみられなかったが,無施肥区(ON区 : 0kgN/10a)は69%と低収であった。1株穂数と千粒重に試験区間差はみられなかった。1穂籾数はC区>LT区≒L区≒T区>ON区であった。この差異は,ON区に比べて他の4区では初発分げつ節位が低く,1株穂数は同じであっても稲体はより籾数の多い低節位の穂によって構成されていたこと,また,C区では幼穂形成期における1茎当たり窒素含有量が高かったことによるものと考えられた。登熟歩合はC区よりも他の4区で有意に高かった。本実験により,移植直前の高窒素処理と被覆尿素の併用により,本田施肥を省略し,施肥量を削減しつつも,標準的な栽培と比較して十分な収量を確保し得る可能性が示された。
著者
関連論文
- ミャンマーの水稲品種Manaw Thu Khaの移植後初・中期の生育と乾物生産特性(栽培)
- 施肥法を異にするミャンマーの代表的水稲品種Manaw Thu Khaの生育と収量性の特徴(栽培)
- 苗に対する窒素・リン酸・カリの移植前処理とメタン発酵消化液施用が熱帯イネの生長に及ぼす影響(講演要旨,第139回講演会)
- P-13 水稲の高温感受性と乾燥ストレス耐性に関する研究 : 登熟期の生育・生産特性と葉身センシング情報の品種間差
- P-2 ミャンマーの水稲品種Manaw Thu Khaの出穂特性
- ミャンマーイネ品種Manaw Thu Khaの乾物生産特性
- P-4 ミャンマーイネ品種Manaw Thu Khaの乾物生産特性
- P-18 化学肥料の種類と施用法を異にするミャンマー水稲品種 : Manaw Thu Khaの生育と出穂特性
- 3. 高NaCl濃度処理下におけるMetroxylon属植物のNa^+, K^+, Cl^-吸収と部位別分布(日本熱帯農業学会第98回講演会)
- P-34 サゴヤシ属植物におけるNa^+の吸収・移行特性
- NaCl濃度の二回日変化に対するサゴヤシの生理反応
- 低pH条件がサゴヤシの生育と養分吸収に及ぼす影響
- パプアニューギニアのサゴヤシデンプンの特性
- P-17 低pH条件におけるサゴヤシ実生の生育(日本作物学会第226回講演会)
- タンザニアのビニールハウス内で生育するサゴヤシ幼植物の受光日射量 : 色素フィルムを用いた測定
- タンザニアへのサゴヤシの種子および実生の導入
- 塩ストレス下におけるMetroxylon warburgii Becc.の部位別N[+]・K[+]濃度および関連生理特性
- サゴヤシ(Metroxylon sagu Rottb.)の塩ストレス回避機構
- 3. フィジーにおけるMetroxylon vitienseの生産生態(日本熱帯農業学会第96回講演会)
- 8. Metroxylon属植物における小葉気孔密度の種間差
- ヴァヌアツ・バンクス諸島ガウア島における Metroxylon 属ヤシの生産特性
- マレー諸島におけるサゴヤシの地理的分布と遺伝的距離の関係
- ヴァヌアツにおけるMetroxylon属ヤシの分布と生育環境ならびに利用形態
- ヴァヌアツのMetroxylon : 分布, 利用, 形態および生産特性
- 23 異なる培養液濃度条件下におけるイネ幼苗の葉身窒素含有量の品種間差異
- 窒素組成の異なる培養液を用いてマット育苗した草姿が異なる水稲苗の植え傷み(栽培)
- 水稲湛水土壌中散播栽培における苗立ち型別発生率の品種間差異
- 湛水土壌中散播栽培において均等に分布した苗立ち型別イネの生育特性
- 水稲湛水土壌中散播栽培における苗立ち型別発生率の品種間差異
- 水稲湛水土壌中散播栽培におけるたこあし苗と正常苗の生育の比較
- P26 異なる苗立ち密度における直播水稲の葉身形態変化
- 37 登熟期の温度上昇に伴うイネ種子の発芽と初期生育の変化(品質・発芽・発育,日本作物学会第226回講演会)
- 62 RAPD分析によるアリウム属の多様性解析
- リアクターシステムによる浄化処理水が芝草の生育に及ぼす影響
- 奄美大島のソテツデンプンの特性
- インドネシア・スマトラ東岸におけるサゴ生産
- 水稲散播栽培における個体占有面積と生長との関係
- 130 苗立ち密度の違いによる直播水稲苗の葉身形態変化
- 景観形成植物,ワイルドフラワー芽生えの定着における胚軸毛の役割
- 15 水稲の湛水土壌中直播栽培における苗立ち密度の違いが個体の生長に及ぼす影響
- アワ種子の発芽における根鞘形態の品種間差
- 111 アワの根鞘の形の相違と根鞘毛の固着性との関係
- インドネシアのトゲサゴとホンサゴのRAPD分析に用いるプライマーのスクリーニング
- サゴヤシ (Metroxylon spp.) 乾燥小葉からの DNA 抽出と RAPD 分析
- 143 インドネシアのサゴヤシ (Metroxylon spp.) のRAPD分析
- イネ科牧草の表面播種における立ち上がり型種子の発芽特性
- 愛知県三河山間部における水稲の湛水土壌中散播栽培について
- 稲わら消化率の品種間差異に及ぼす植物形態学的要因
- 湛水土壌中散播栽培における初期深水管理が水稲の生育と収量に及ぼす影響
- わが国の暖地におけるサトウキビの生長と物貭生産力について : 第4報 気温が蔗苗の生長と分げつ盛期および生育後期の光合成速度に及ぼす影響
- 根鞘型によるアワ系統の成熟期の特性比較
- アワ系統における根鞘型の地理的分布
- 142 発芽種子の根鞘型によるアワ系統の地理的分布
- 136 アワ同一系統内における根鞘形態が異なる発芽種子の根鞘毛発生と幼植物の生長
- 22 イネ幼穂形成期の培養液濃度処理が穂数および1穂穎花数に及ぼす影響
- 表面播種されたマメ科牧草における主根の進入並びに芽生えの生長と根毛の固着型との関係
- 表面播種されたマメ科牧草の発芽行動に及ぼす地表面への根毛固着の影響
- サゴヤシ生育地の土壌 : 窒素の挙動に関わる土壌要因
- 水稲苗に対する高窒素処理と被覆尿素施用が移植後の生育と収量に及ぼす影響
- インドネシアの遠隔地に生育する有刺・無刺サゴヤシ標本から採取した花粉の形態
- 第8回国際サゴシンポジウム(EISS2005)レポート
- サゴヤシ属植物の地理的分布と種分化(日本熱帯農業学会第98回講演会)
- アワ根鞘の形態的相違と幼植物の生長
- 12 水稲苗に対する移植直前の高窒素濃度処理と生育相関
- 苗立ち密度に対する水稲品種の生育反応特性
- タイ南部の異なるpH条件におけるサゴヤシの体内無機成分蓄積
- 北部ニューギニア沿岸部に生息するサゴヤシの糖質資源含量
- サゴ樹皮からの炭化材生産
- サゴヤシ澱粉抽出残さの酵素液化・糖化に関する研究
- 北部ニューギニア沿岸部に生育するサゴヤシデンプンの特性
- 北部ニューギニアの沿岸部に生育するサゴヤシ, ニッパヤシ, パンダナスの体内成分比較
- ナトリウム処理に対するヤシ科トウ連の生育と生理的反応 : サゴヤシとトウの比較
- アルミニウム処理に対するヤシ科トウ連の生育と生理的反応 : サゴヤシとトウの比較
- サゴヤシの生育に及ぼすアルミニウムの影響と不定根内の分布
- サゴヤシの種子発芽特性に係わる外的および内的要因
- 38 サゴヤシの発芽特性と実生苗の生長 (続報)
- 低濃度培養液条件下におけるイネ幼植物の葉身乾物重当たり窒素含有量とアンモニウムイオン及び硝酸イオン吸収力との関係
- 低濃度培養液条件下におけるイネ幼植物の葉身乾物重当たり窒素含有量とアンモニウムイオン及び硝酸イオン吸収力との関係
- 140 サゴヤシ (Metroxylon sagu Rottb.) の発芽特性と実生苗の生長
- NaCl処理条件下におけるソルガムとスーダングラスおよびハイブリッドの幼植物の生長と養分吸収の比較
- ナトリウム処理下におけるデンプン生産ヤシの生理的形質と生育 : サゴヤシとヤタイヤシの比較
- アルミニウム処理に対するデンプン生産ヤシの生育と生理的反応 : サゴヤシとヤタイヤシの比較
- 冬季の低温がジャトロファの生育に及ぼす影響
- サゴヤシの生育に及ぼすNa処理とCl処理の影響の比較
- 水稲苗に対する高窒素濃度処理と被覆尿素施用が移植後の生育と収量に及ぼす影響