<Original Paper>誇りが私を孤独にさせた : マーガレット・ローレンスの石造りの天使
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概要
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マーガレット・ローレンスの「石造りの天使」はカナダを舞台とした作品としては初めてのものである.主人公ヘイガーは今や90歳で, 病のために死が真近に迫り, 自分のために不幸になった愛する夫や息子のことを思い出し, 慙愧に堪えない.マナワカ墓地に建つ, 目の無い石造りの天使に象徴されるように, ヘイガーは他人の苦しみ, 痛みに対して盲目で, 彼女の誇りが人に優しくすることを許さなかった.死の恐怖に捉えられているヘイガーは突然, 「誇りが私を孤独にさせてきた.私はいつも心から喜びたかったのだ.」と悟る.そう悟ることによって石のようだったヘイガーも人間的な気持ちを取り戻し, 心の安らぎを得ることができた.
著者
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