キウイフルーツ花腐細菌病に関する研究(第1報) : 花および果実の病徴の類別と花器感染経路
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概要
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キウイフルーツ花腐細菌病の自然感染における花蕾や花の病徴は5型に類別される.花蕾の初期感染は若い花蕾の裂開しつつあるがくで起る.この場合,病原細菌はがくの傷口から組織内に侵入し,がくは褐色の壊死病徴を現わす(S型).しかし,花蕾の内部器官はこの時点では病徴を現わさない.降雨の3〜4日後,肥大した花蕾は最も激しい病徴を示し,感染花蕾の内部器官は全て暗褐色に腐敗した.肥大花蕾は本病に対する高い感受性を示し,全ての感染花蕾は葯,柱頭および花柱の暗褐色腐敗および花弁の黄褐色の変色を示し,感染が開花した花や開花間近い花蕾で起るときは点々と一部の葯や柱頭が淡褐色に発病する軽い病徴を示す.一般に,肥大した花蕾が感染した場合は開花までの期間が長く,柱頭まで感染,腐敗するが,感染後開花までの期間が短い時には軽い病徴を示す.柱頭の感染は果実の変形に直接関係し,落果しないものは変形果になった.高濃度の細菌懸濁液を肥大花蕾の表面に散布接種しても,3〜4日間では花蕾内部器官の激しい褐変腐敗型病徴を現わすことはなかった.しかし,この懸濁液を肥大花蕾内に注射器で注入すると,2〜3日で本病の典型的な褐変腐敗型病徴が現われた.このことは,相当量の病原細菌が外部から向化性などによって肥大花蕾表面に到達したとしても,これらが多量に花蕾内へ短期間に直接侵入することはできないことを示している.即ち,降雨によって簡単に花蕾内部に多量の病原細菌が接種される仕組みが必要で,それは先行して起るがくの感染により,感染がくと花弁の間に溢出された細菌が雨水と共に花蕾内部へ運ばれることによるものと考えられる.
- 石川県農業短期大学の論文
著者
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福富 雅夫
石川農短大農資研
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田知本 正夫
石川県農業短期大学
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松代 平治
石川県農業短期大学
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福富 雅夫
石川県農業短期大学
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田知本 正夫
微生物資源研究室
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田知本 正夫
石川県農業短大
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福富 雅夫
石川農業短大農業資源研
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