富栄養湖の内部生産による深度低下
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
富栄養湖である深見池は小さな湖水で,周囲を山に囲まれているために風の影響が非常に少なく,水は3月下旬から11月までよく成層している.このため深水層は無酸素となり,還元状態が発速している.酸化還元境界層には光合成細菌がよく生育し,またこの境界層の上部では黒い沈澱物が発見された.この沈澱物はMnO_2からなることが化学分析の結果判明し,さらに深水層には溶存態マンガンの集積も認められた.このような特色ある湖水の調査の過程で,最深部の深度が1952年の上野の報告では9.3mであったものが,著者らが調査を開始した1978年には8.5m程度しかなかった.この原因を究明するために1978年〜1979年にかけ湖内での新生堆積物の収集と深度の測定を行った.これをもとに,堆積物が量的質的にどのように季節変化を示すか検討し,湖底泥を分析して堆積速度を算出した.また1992年に再度測深を実施したところ,最深部は8.1mであることが観測されたので, 1979年と1992年の結果から深度の低下した原因についても検討した.
- 1993-03-05
著者
関連論文
- 湿地生態系における物質循環
- スキー場を集水域に持つ渓流に見られる窒素汚染
- 矢作川下流部の一次生産
- 矢作川の環境変化に伴う水質汚濁と底生動物の推移
- トンボ池における水質と光合成活性
- 井戸水中の従属栄養性鉄酸化菌による懸濁態鉄の生成と溶存有機炭素の消費
- 河川における富栄養化と微生物に関する研究
- 東海地方における2・3河川の汚濁状態(N・Pを中心として)
- 富栄養湖の内部生産による深度低下
- 藤前干潟の干潮と満潮時における海水・間隙水中の塩素イオン(Cl^-)濃度変動による水交換
- 湖沼におけるマンガンの動態と微生物学的マンガンの利用 : マンガンの還元菌をめぐる文献
- 深見池の成層期における溶存態鉄,懸濁態鉄の存在状態 : 特に溶存有機態鉄について
- 富栄養湖における鉄の季節変化とその存在状態
- 矢作川の水質特性
- 一河川に連なるダム湖の光合成量
- 深見池における鉄とマンガンの季節変化--マンガンの濁り層の出現〔英文〕
- 伊勢湾・三河湾の水質と基礎生産(日本沿岸海洋誌 その16:伊勢湾・三河湾(III))
- 矢作川下流部のAGP
- 木曽川下流部の付着藻類の光合成量
- 名古屋市内河川の水質汚濁の特徴
- 河川の水質汚濁・富栄養化に関与する各成分の相関(第2報) : 矢作川河口海域における有機汚濁指標とクロロフィル量
- 河川の水質汚濁・富栄養化に関与する各成分の相関 : 木曽三川(第1報)
- 河川水の保湿実験によるDO・バクテリア・窒素・リンの経日変動
- 名古屋市内三河川の水質汚濁標示に関する研究
- 飛騨川水系川辺ダム湖の夏季における水質、微生物、およびプランクトン
- 木曽川中・下流部におけるユスリカ幼虫と水質
- 食餌性脂肪肝発症ラットにおよぼす食餌組成および運動負荷の影響