「モノダに関する考察
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概要
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本稿は文末に「モノダ(モノデス・モノデアル・モンダ)」を伴う文(「モノダの文」)・の用例をもとに, 「モノダ」の意味・用法を考察ずるもめものである。「モノダの文」は1.表示文(主題と解説から成巻命題を真として主張する文)と, II.表出的な文(特定の状況, 事実をどちえ, それに対する感情, 感覚を表わす文)とがある.「モノダ」はそれぞれの文において, 次のような機能や語用論的意味を持つと思われる.1.表示文における「モノダ」(1)主題Aについて解説Bを述べる時, Bを「Bモノダ」とし, 主題Aと明確に呼応させることで, この文がAとばどのようなものであるかを述べる文であることをはっきりとうちだす機能をもつ.述語性が高い(2)話し手が一定の立場からの知識(常識,専門的知識)を「モノダの文」によって表明する時,語用論的に聞き手に対し示唆的な意味を持つ。(3)話し手が「モノダの文」によって意見を表明する時, 語用論的に宣言的な意味を持つ.(4)話し手が主題Aを感情, 感覚的に規定し「モノダの文」によって主張する時, 語用論的に表出的な意味を持つ.II.表出的な文における「モノダ」(1)さきの感情, 感覚的な規定の文における「モノダ」の語用論的意味(表出的)をなかだちとして, より終助詞に近づいた機能をもつ.'述語性が弱い,あるいはほとんど述語性がみとめられない.
- 早稲田大学の論文
- 1989-03-25
著者
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