小民族の構造的同化現象 : 日系アメリカ二世を例にして
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
パークは社会を「相互作用の体系」であると規定した。しかし,「相互作用」といっても色々な形がある。この点で,彼は4っつのタイプを挙げている。すなわち,1.競争,2.葛藤,3.アコモデーション,4.アシミレーション,でこの4っつのタイプの相互作用は1,2,3,4という順序で展開していくとした。一説によると,彼はこの考え方をカリフォルニア州に於ける人種問題を観察しながら得たとされている。従って,この考え方は正しい,正しくないという結論は別として,人種的,民族的関係を研究する上でよく取り上げられ,今だに基本的な概念の一つとされている。しかし,この「相互作用の体系」理論は,例えばアメリカ社会において19世紀半ばまで排斥の的となっていたアイルランド系移民についてはほぼ適応できるが,その後の日系を含む有色人種の移民たちについては現在に至るも十分に適応していないとみる学者が多い。それどころか,アシミレーションという段階は現在の多元文化社会では,移民はもとより,その子孫にたいしても期待されない時代になっている。筆者は,この原稿の中で,アメリカに於ける有色人種の移民の完全なるアシミレーションは難しいとしても,「構造的アシミレーション」に関しては実現が可能であるとして,日系二世を例にあげながら,その可能性を探ることを目的とした。
著者
関連論文
- 米国多民族社会に於ける少数民族の動向分析'その1' : アフリカ系アメリカ人の場合
- 1960年代以前の日系移民とII世の間でみられた少数民族的態度
- 米国多民族社会に於ける小数民族の動向分析'その2' : 新・旧日系移民の場合
- 小民族の構造的同化現象 : 日系アメリカ二世を例にして