1960年代以前の日系移民とII世の間でみられた少数民族的態度
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概要
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社会心理学や人種関係論に携わっている学者の多くは1960年代まで少数民族に帰属していた大多数の人々の間に共通した独特の性格が見られたことを指摘している。カナダ, アメリカ, ブラジルに移民した日本人や, 特殊の環境で生まれ育ったII世もこれら少数民族の1グループとして存在したので, 当然, この共通した性格を保持していたと考えられる。その少数民族の性格とは大きく言って, 1)当時彼等に差別的であった多数派の民族に少しでも文化的に近寄ろうとする傾向2)他の少数民族にたいして差別的であり自己民族優先主義である傾向3)自己と母国の人々との間に距離を置く傾向, の三点と状況によっては多数派の民族を意識的に避ける傾向が指摘出来よう。現在までに日系人に関してこれらの少数民族特有の性格を土台とした彼等の行動について踏み込んだ議論はされていない。この原稿は上記の共通しているとされている少数民族の性格や態度をカナダ, アメリカ, ブラジルの日系人, とりわけ, I世とII世の間で考察することを目的として書かれたものである。
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