<論文>貝原益軒「楽訓」を読む
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概要
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貝原益軒65歳の自画像を描いた余白に,漢文が書かれていて,その中に<至老増娯 : 老いに到りて娯しさを増す>と書かれている。昨今の世相にあっては,老いを迎えることは,歯や目や耳の衰え,病がち,イメージとして暗い,全般的に見て汚い等と,良い印象が一つも浮かばない情勢にあって,この貝原益軒の主張は,魅力的である。この自画像を書いて,十数年後いわゆる「十訓」と呼ばれる著作全盛期に入る。その中でもも際立って興味深く,後世に大きな影響を与えたのが,「楽訓」(80歳)「養生訓」(83歳)である。貝原益軒の考える楽しさとは何かを説いたのが,「楽訓」であり,ある意味で,その楽しさを如何にして保つことが出来るかを説いたのが「養生訓」と言うことになり,きわめて緊密な関連を持っていると考えられる。小論は,「楽訓」の全体像と,内容を掴むのが目的である。
- 2003-01-31
著者
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