骨格筋細胞の増殖・分化に対するcalmodulin阻害剤の抑制効果

概要

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筋芽細胞から筋管細胞が形成される過程にCa^<2+>-calmodulin系が関与しているか否かを調べる目的で骨格筋細胞の初代培養系を用いてcalmodulin阻害剤の効果を検討した。培養ラット骨格筋細胞にcalmodulin阻害剤であるW-7およびTFPをそれぞれ単独で投与すると筋管細胞への分化の過程で起こる筋芽細胞の融合現象が抑制された。このときW-7の単独処理は細胞内Ca^<2+>濃度を変化させなかった。Acetylcholine (ACh)を培養液中に添加すると細胞融合が促進されたが. AChとともにW-7を加えておくと,この融合促進作用が阻害された。このときACh添加による細胞内Ca^<2+>濃度の上昇はW-7により抑制された。これらのcalmodulin阻害剤の抑制的効果より考えると. AChによる筋芽細胞の融合促進作用は細胞内カルシウム上昇やcalmodulinが関与していると思われた。しかし. ACh非存在下でもcalmodulin阻害剤は筋芽細胞融合を抑制するので, 内因性calmodulinはin vitro培養条件下で持続的に筋芽細胞の融合を刺激していることが示唆される。
神戸大学の論文