口腔領域における痛みに関する行動薬理学的研究(第II報) : 切歯切断によるマウスの自発運動量低下に対する2,3薬物の影響について
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概要
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マウスの下顎切歯を歯肉縁上の高さでプライヤーにて切断し, 自発運動に対する影響を検討した結果, 前報のラットの場合と同様, 自発運動量の低下が認められた。この自発運動量の低下は特に切歯切断60分後までに著明であった。これらのことより, この切歯切断刺激による自発運動量の低下の回復が, 鎮痛薬の検定法として有用であるかどうかを検討するため, 各種の鎮痛薬を用いて, その回復効果を検討した。その結果, 薬物そのものが運動量に影響を及ぼし, 運動量を増加させるもの(morphine)と運動量を減少させるもの(codeine, aspirin, mefenamicacid, mepirizole, diazepam, chlorpromazine)の2群に大別された。すなわち, この自発運動量の低下を, 仮性疼痛反応とした鎮痛薬の検定法とするには, 薬物の影響が鎮痛効果とは関連なしに自発運動量に影響を与えることが多いことより, 実用性が難しいことが示唆された。
- 東北大学の論文
- 1987-12-01
著者
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