合成ハイドロキシアパタイトの骨膜下Onlay Graftに関する実験的研究

概要

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合成ハイドロキシアパタイト(以下HAと略す)の骨代用材としての臨床応用を検討するために, ラット頭頂部骨膜下へ多孔質HAブロックを埋入し, HAの生体との反応, 特に骨形成性について検索した。平均気孔径50,90,200,280μmの4種類の多孔体(焼成温度900℃, 気孔率70〜85%)をWistar系ラットの頭頂部骨膜下にonlay graftし, 1,3,5,10,20週後に屠殺, 脱灰標本を作製して病理組織学的に観察した。その結果, HAを埋入した部位においてブロックの露出や炎症所見はなく, いずれのブロックにおいても気孔内への線維性結合組織の侵入がみられ, 時間の経過とともに母床骨から連続して気孔内にむかって新生骨が形成された。50,90,200μmのものでは経時的に新生骨の形成は骨膜側にむかって進行するが, 280μmのものでは機械的強度が低く, 骨膜のtensionによってブロックに変形をきたし, 骨形成は著しく劣っていた。以上のことから, HAは生体に対して為害反応を示さず, すぐれた骨伝導性を有する人工材料であることがわかった。またonlay graftにおいては, 気孔径の大きさよりもブロックの機械的強度が骨の形成に重要な係わりをもっていることが示唆された。
1985-12-25