卑金属歯科鋳造合金の研究
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概要
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オーステナイト系Fe-Ni-Cr-Co4元合金にMo, VおよびTaを単独あるいは複合添加した卑金属歯科鋳造合金を試作し, 添加元素による効果について, 鋳造組織, 機械的性質, 熱膨張などを検討した。Mo添加によって樹枝状晶組織は著しく微細化し, 格子定数も大きく変化する。これにともなってかたさ, 引張強さは増加するが伸びはあまり減少しない。V, Taは微量の添加で強さが増加し, とくにMoとの複合添加によって一層効果があらわれる。またMo, VおよびTaなどの元素は種々の炭化物となって析出するが, かえってCr炭化物の生成を抑制するため, 粒界腐食の防止に役だっている。なおMo添加には熱膨張を低下させる効果もあり, Moの含有量によって陶材の熱膨張に近づけることが可能である。以上本系合金は卑金属合金にみられない大きな伸びがあり, インレー, クラウン用(No.1およびNo.3の試料)に適している。またさらに強さが得られたものは陶材焼付用(No.5の試料)に適している。
- 東北大学の論文
- 1985-08-10
著者
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