可視光線重合型コンポジットレジンの流動特性

概要

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可視光線重合型コンポジットレジンは従来の化学重合型に比べて練和やそれに伴う硬化反応がないため, 余裕のある充填操作ができるという特長をもっている。しかし, このような操作性に影響を与える本材料のレオロジー的性質に関してはほとんど報告されていない。そこで円錐一円板型回転粘度計を用いて5種類の前歯用市販材料の粘度測定を行い, 硬化前ペーストの流動特性について検討した。その結果, いずれの試料も一定ずり速度での経時的な粘度低下を示し, 流動曲線では上向曲線と下向曲線とが一致しないヒステリシスな曲線を描いた。このように時間依存性とずり速度依存性が認められることから今回の試料はチクソトロピー流体であることがわかった。また, 製品によって粘性挙動に大きな違いがみられたが, それらは主としてフィラーの粒子径や配合量などに大きな影響を受けることが示唆された。したがって, このような複合材料を扱う際には, 以上のような特性を十分に把握した上で, 個々に合った材料を選択することが大切であり, それにより合理的な充填操作が可能になると思われる。
東北大学の論文
1991-12-28