<原著>SEASの尺度構成に関する一考察 : YG性格検査を手がかりとして
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概要
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村山らは, 自己実現を測定する質問紙SEASを提出した。本報告で, その10個のカテゴリーの持つ意味を明確にする試みを行なった。YG性格検査との関連が検討された。専門学校学生41名に対して両質問紙が実施され, そのデータは, 相関係数の算出とクラスター分析によって検討された。得られた主要な結果は次の通りである。(1)YG性格検査のプロフィルの上半分に示される因子(D, C, I, N, O, Co)の相互に高い相関が見出された。この6因子は, またクラスター分析において, 1個のクラスターを形成していた。したがって, これら6因子に対するSEASカテゴリーの関連性については, 明確な解釈を行なうことができなかった。(2)SEASカテゴリーの「達成志向」, 「卒直な自己表現」, 「独立性」は, YGのどの因子とも有意な相関が見出されなかった。(3)「積極的に生きる」と「弱点の受容」は上記6因子とのみ関係を示した。(4)「現在の自己の肯定」と「強迫」の2カテゴリーは, 上記6因子に加え, YGの一般活動性や思考的外向と, それぞれ高く相関していた。(5)「自己主張」はYGの3因子, 攻撃性, 支配性, 社会的外向と1つのクラスターを形成していた。「両極性の統合」はのんきさと, 「自己志向」は一般活動性と, 各々高い相関を示していた。
- 九州大学の論文
- 1986-03-28
著者
-
山田 裕章
Institute of Health Science, Kyushu University
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亀石 圭志
Faculty of Education, Kyushu University
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山田 裕章
Institute Of Health Science Kyushu University
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亀石 圭志
Faculty Of Education Kyushu University
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