重複障害児の交信行動の変容過程
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概要
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交信関係を確立することが困難であった一重複障害児が食事場面をきっかけとし、食べ物とのかかわりを深めていった。指導者は本児と経験を共有するなかで本児が食べ物の移動を認知することを基盤として交信関係を確立した。さらに、本児の過食をふせぎ、「そしゃく」を促がすための行動の調整と本児との交信行動の理解を深めるために身振りサイン「ちょうだい」の形成を試みた。本児が食べ物の方へ手をのばす行動を身振りサインに形作ることを繰返し、身振りサインを形成すると必らず食べさせるという一義的な状況をつくった。そこで、本児は身振りサインの意味をしだいに理解しはじめ、指導者の示す身振りサインを模倣できるようになった占そして場面状況の把握の高まりとともに人とのかかわりが深まり、身振りサインの自発をするようになった。その結果、指導者は場面状況にみられる文脈の中で本児の身振りサインの陳述機能をみいだし本児の行動の理解を深めていった。
- 三重大学の論文
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