ホシガレイ養成親魚の人工採卵と卵管理水温

概要

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ホシガレイ, Verasper variegatusの養成親魚からの採卵技術確立を目的として, 稚魚から養成した年齢の異なる親魚から人工採卵を試みた。その結果, 2歳および3歳魚から採卵はできたものの受精率が低く孵化仔魚を得ることが出来なかった。4歳魚では, 魚体重3kg以上のすべての個体からは採卵が可能で合計約52万粒の受精卵が得られたが, 3kg未満の3尾のうち2尾からは採卵ができず, 残り1尾の受精率も16.7%と他の個体に比べて極端に低い値であった。浮上卵の受精率は平均で62.0%, 卵径は1.66±0.02mm(n=180)であった。また, 受精卵の孵化に及ぼす水温の影響を調べるため, 受精卵を12,14,16および18℃の水温に調整した水槽で孵化するまで管理した結果, 正常孵化率は, 12℃区で28.4%と最も高く, 18℃区が4.6%と最も低い値を示した。これらのことからホシガレイの採卵には4歳の雌親魚で体重が3kg以上のものが適しており, 卵管理の最適水温は10〜12℃付近にあることが推測された。
近畿大学の論文
2000-03-25