GEOTAIL 搭載磁力計(MGF)の飛翔中データによる評価
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概要
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GEOTAIL 衛星搭載の高精度磁力計の飛翔中データを用いた評価方法,並びに,その結果について述べる。衛星飛翔中に測定される磁場には,センサーアライメントの変動,磁力計システムとしてのゼロ点の変動,衛星からの干渉磁場の変動,等がノイズとして含まれる。自然現象の解析に用いられる高精度の磁場データを生成する時には,これらノイズを適切に評価しその影響を除去する必要がある。 GEOTAIL 衛星の磁場データ処理としては,スピン型衛星の特長を生かした手法を考案し,磁力計観測開始から約3年分のデータに対しこの手法を応用した。その結果として得られたアライメントの長期変動は伸展型マストの構造特性として理解できるものである。ゼロ点の変動については,日陰の無い衛星運用として安定した時期には概ね良好な結果が得られ,手法の妥当性を指示するものと判断される。ミッション後半からは日陰が頻発するようになり,アライメント・ゼロ点について短期的な変動が目立つ結果となっている。これらの結果から,日陰の無い期間について処理したデータの精度としては,アライメントとしては0.1°以内,ゼロ点としては0.5nT 以下が達成されていると結論される。今後の課題としては,短期的な変動,Z 軸(スピン軸方向)のゼロ点を適切に評価する方法の検討が残っている。これらは,将来の短周期周回衛星・三軸姿勢制御型衛星での高精度磁場計測で必要なデータ評価技術でもある。
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