代表的沖縄本島土壌の乾燥過程とスレーキングの関係(農業工学科)
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概要
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(1)国頭礫層土壌と泥灰岩土壌のスレーキングは乾燥過程によって著しく影響され, PF5.5∿PF6.5の水分状態で高い崩壊率を示し, その経時変化も顕著である。石灰岩土壌は耐水性であり乾燥過程の影響もほとんど受けない。(2)高含水領域からPF4.5まではスレーキング現象がほとんどみられない。(3)PF6.5∿PF7.0では外皮様薄層が形成されるため崩壊に幾分時間的遅れがあり, 量的にもやや少ない。(4)3試料は, その主要粘土鉱物組成や理化学的性質を反映し, スレーキングの形態を異にする。(5)島尻泥灰岩土壌は, 母岩(泥岩)の工学的性質(6,8)を反映し, 他2試料に比して膨張・収縮挙動が顕著である。以上のように, スレーキング試験は, 雨滴の衝撃作用による供試土崩壊試験(4)の場合と比較して, 低PFと高PF領域において量的に多少異なるものの, ほぼ同様な崩壊現象を示した。また国頭礫層土壌は, スレーキングの結果からも高い受食性土壌であることが明らかになった。なお本研究は昭和49年度文部省科学研究費の補助を受けたものの一部である。終りに, 実険にあたって終始協力して下さった専攻生の上運天英夫(現沖縄県土地調査局勤務)と又吉盛正(現沖縄県農林水産部勤務)の両氏に謝意を表したい。
- 琉球大学の論文
- 1975-12-01
著者
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