土壌侵食に関与する 2,3 の降雨特性について(沖縄における農地保全の基礎的研究(第 1 報))(農業工学科)
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概要
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1.気象資料は主として1955年1月から1967年12月までの琉球気象庁発行の気象要覧, 那覇の気候表(1963年発行)および沖縄群島の気候表(1964年発行)をもとに作成した。2.第1表の月間降水量の平均値の中で( )内は欠測の値を除いた平均値であり, 他の地点と比較して大差のある月は平均値とかなり差のある雨量の欠測に起因するものである。また与那覇岳の雨量が極端に大きいのは標高498mで観測されており, 山岳特有の気象によるものと思われる。3.第4表の10分間確率降雨強度において各月の平均値と2年確率の値が殆んど同じ値を示しているのは, 各月のその年における降雨強度の最大値のばらつきが正規分布するとの仮定で計算され, かつ資料の分散が比較的よかったことによる。4.限界降雨強度は土地の傾斜や土壌の性質によって異なるが, 日本各地の実験結果によると, 傾斜15°で2mm∿3mm/10min.が限界降雨強度である。筆者が人工降雨により, 国頭マージ土壌(粘土)について実験した結果, 傾斜7°の土槽箱で含水比が32%のとき2.5mm∿3.5mm/10min.でrunoffを見た。沖繩においても2mm∿3mmを限界降雨強度としても差し支えないと思われる。5.図表に掲載されてない北部の他の観測所で, 与那や奥などは伊豆味と同様, 年間降水量が2500mm以上となっており, 地形因子と相まって北部農耕地の傾斜地は中南部のそれらより, 土壌侵食の危険性が大であるといえる。
- 1969-10-01
著者
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