気球による太陽中性子および大気中性子の観測
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概要
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太陽フレアに伴って放出されると予想される太陽中性子を観測するために,豊川空電研の太陽電波の観測による太陽フレアの予報に基づいて,1968年9月28日に福島県原町市の東大気球実験場において太陽中性子観測用気球の飛揚を行なった.この実験においては中性子とγ線とを分割して測定するために中性子検出器としてpulse shape discriminationのできる有機液体シンチレータを使用した.この日気球が水平飛行に移って約1時間後の0149UTにimportance 2Bの太陽フレアがあったが,これに伴う中性子およびγ線の強度の増加はみられなかった.観測結果からこのフレアに伴う太陽中性子強度の上限値は6〜100Mevのエネルギー領域において20 neutrons cm^<-2>であることが判明した.またこの実験においては中性子とγ線を分割して測定したので大気中性子の強度および高度変化などについても詳細なデータが得られた.
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