土壌水分の低下がダイズ品種の生育と収量に及ぼす影響(英文)
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概要
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有限伸育型ダイズ品種’エンレイ’と無限伸育型品種’東山69号’を供試し、適宜潅水を行った湿潤区と播種直後以降全く潅水を行わなかった乾燥区を設けて雨よけ栽培を行った。両品種ともに乾燥区の生育、収量および収量構成要素は湿潤区に比べ著しく低下したが、その程度は’エンレイ’に比べ’東山69号’で著しかった。乾燥区の莢数は湿潤区に比べ’エンレイ’で42%、’東山69号’では78%減少したが、これには結莢率の低下よりも花蕾数の減少が大きく影響していた。莢数と収量を高次位と低次位の莢に分けてみると、水分ストレスにより’エンレイ’では低次位の占有率が低下したのに対して、’東山69号’では変化しなかった。同様に主茎と分枝に分けてみると、’東山69号’では主茎の占有割合は増加したのに対して、’エンレイ’では変化しなかった。すなわち、水分ストレスにより、’エンレイ’では低次位花房が、’東山69号’では分枝がより大きく影響を受けることがわかった。乾燥区の結実率、百粒重は湿潤区に比べ著しく低下したが、その程度の品種間差は小さかった。長期の水分ストレスに遭遇した場合、有限伸育品種に比べ無限伸育型品種では生育の停滞、ひいては節数の低下を招き、さらに花蕾数が減少する結果、莢数ひいては収量の低下が著しくなることが推察された。The effect of moisture stress on determinate(Enrei)and indeterminate(Touzan69)types of soybean was studied under vinyl house field conditions.Moisture stress seriously reduced the growth,yield components of both soybean types,but the quantitative effects were seen more in Touzan 69 than in Enrei.Although water stress reduced the floral buds and pod setting ratio in both types the differences were not sighification.The contribution to the number of per plant and seed yield on low and high order racemes was unaffected in Touzan 69,while in Enrei,the contribution to these parameters increased on high order racemes and decreased on low order racemes.In Enrei the contribution tothese two parameters on the main stem and branches was not affected by water stress;however,in Touzan 69 the contribution increased 16-18% on the main stem and decreased on the branches.Itwas concluded that the contribution to the number of soybean pods per plant at different positions essntially mimicked differences in seed yield.In both soybean types the detrimental effects of water stress on all the yield components resulted in lower total yield.The main difference between both types was that comparatively more reduced growth(less number of nodes/plant)of indeterminate type reduced a greater number of floral buds which also had a synergistic effect on reducing the yield,so ultimately the yield reduced more in indeterminate than in determinate type.
- 1999-02-01
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