エンドウカルコン合成酵素遺伝子PSCHS2のエリシターによる転写活性化に関与するシス制御配列とトランス因子(英文)
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概要
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エンドウのカルコン合成酵素遺伝子,PSCHS2のエリシターによる転写活性化機構を解明するために、PSCHS2プロモーターの転写制御シスエレメントとトランスに働く核内DNA結合タンパク質について解析した。PSCHS2の転写開始点より-471までの配列を有するプロモーターは、高いべーサルな転写活性を示すと共にエリシター処理により転写活性が増高した。また、エリシター処理したエンドウ上胚軸から調製された核抽出物はPSCHS2の+83から-484までの異なるDNA断片とゲルシフトアッセイ移動度の遅い複合体(LMC)を形成した。更に、LMCの形成は核抽出物をアルカリフォスファターゼで処理することにより阻害されたことより、何らかの核タンパク質のリン酸化がLMC形成を促していると考えられた。以上の結果は、PSCHS2のプロモーター上にある複数の転写制御シスエレメントに対する正の転写活性化因子の結合はエリシター処理によって増加し、その結合によって転写が活性化することを示唆している。To elucidate the elicitor-mediated transcriptional activation in one of the chalcone synthase genes, PSCHS2 in pea, we investigated the putative cis-regulatory elements in the promoter sequence and trans-acting DNA binding proteins. The promoter up to -471 from the transcription start site of PSCHS2 gave considerable level of basal transcriptional activity. Nuclear extract from elicitortreated pea epicotyls formed DNA-protein complexes with three independent DNA fragments spanning from +83 to -484 of PSCHS2 with low mobility (LMC,low mobility complex) in the gel mobility shift assay. Since the LMC formation was blocked by the treatment of nuclear extract with alkaline phosphatase, the phosphorylation of some nuclear factor(s) assists LMC formation. These results indicate that the bindings of the putative positive nuclear factors to the multiple cisregulatory elements in PSCHS2 promoter region were enhanced by elicitortreatment that might result in transcriptional activation.
- 岡山大学の論文
- 1998-02-01
著者
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