J.C.F.グーツムーツの座 : 休息遊戯について
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概要
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「近代体育の父」と称されるグーツム-ツは,1786年からシュネッペンタールの汎愛学校での体育の指導実践をもとに,中世的な体育からの脱却ときたるべく近代市民社会に向かっての体育の目標,内容,方法などを理論化していった.彼の取り上げた体育教材は,体育的運動,手工作業そして共同体的青少年遊戯であるが,遊戯に関しては十分な研究が行なわれておらず遊戯の体育的,教育的価値を明確にしていくことは,体育実践の視点からも意味をもつものである.グ-ツムーツは数多い遊戯を道徳的,身体的そして精神的特性というフィルターにかけそれらを満たした遊戯だけを教育的遊戯として,教材の対象としていった.そして教育的遊戯を「運動遊戯」と「座一休息遊戯」に分類しさらに心的特性に応じて細分化した.本論文では「座-休息遊戯」に着目し,48種目の教育的遊戯の内容とグーツム-ツが求めた価値を明らかにしていく.観察力,注意力,記憶力,想像力,鑑識力などを修練する遊戯群が選択された.グーツムーツは実際の指導にあたっては,青少年の発育発達に則し,できる限り自由,自主的に行ない,自然で喜びや楽しさの雰囲気の中で行なわれることが教育的価値を高めることになると指摘している.この「座一休息遊戯」をこれからの体育指導に取り入れていくことは,決して困難ではなく体育の豊かな多様化を生むためのきっかけとなろう.
著者
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