<原著>アミノ酸に対するコイの嗅球応答の周波数解析
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概要
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19種類のL-α-アミノ酸の10^<-2>モル溶液で刺激した際のコイの嗅球脳波を高速フーリエ変換を用いて解析した。14種類の中性アミノ酸試験液のpHは各アミノ酸の等電点(pI, 5.1〜6.3)に調整し, 3種類の塩基性アミノ酸および2種類の酸性アミノ酸の試験液のpHは各アミノ酸の等電点(L-アルギニンは10.8,L-リジンは9.7,L-ヒスチジンは7.6,L-アスパラギン酸は2.8,L-グルタミン酸は3.2)または各アミノ酸のα-アミノ基とα-カルボキシル基のpKの平均値(pI'と仮称, 5.5〜5.9)に調整した。中性アミノ酸のパワー・スペクトルはお互いに類似していたが, パワー値はアミノ酸により異なった。中性アミノ酸に対して反応する周波数帯域は7〜15ヘルツであった。塩基性アミノ酸は, pI'よりpIの方がピーク周波数が高く, パワー値が大きかった。酸性アミノ酸は, pI'よりpIの方がピーク周波数が低く, パワー値が小さかった。塩基性アミノ酸の反応周波数帯域はpHに関係なく3〜15ヘルツで, 酸性アミノ酸の反応周波数帯域はpIで3〜15ヘルツ, pI'で3〜20ヘルツまたはそれ以上であった。嗅球脳波は3〜7ヘルツ, 7〜15ヘルツ, 15〜20ヘルツまたはそれ以上の3成分に分類できた。また, 7〜15ヘルツの成分は本研究で調べたアミノ酸に共通していた。
- 1998-03-31
著者
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中村 聡一
近畿大学農学部水産学科
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中村 聡一
近畿大学農学部
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吉川 弘正
(財)環境科学総合研
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松井 春樹
(財)環境科学総合研究所
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小林 博
近畿大 農
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石田 義成
近畿大学農学部水産学科
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江崎 隆策
近畿大学農学部水産学科
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小林 博
近畿大学農学部水産学科
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江崎 隆策
近畿大学農学部水産学科:(株)kac
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石田 義成
近畿大学農学部水産学科:日本海洋科学専門学校
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吉川 弘正
(財)環境科学総合研究所
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小林 博
近畿大学農学部
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