オイカワおよびウグイ仔魚の成長に伴う遊離感丘の形態変化
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概要
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オイカワおよびウグイ仔魚は河川における産卵床内でふ化,発育し,後期仔魚期が始まる頃に産卵床から浮上する。本研究は両仔魚の遊離感丘の形態変化を,走査電子顕微鏡を用いて調べた。遊離感丘はふ化直後のオイカワにはわずかに認められ,ウグイには全くなかった。しかし,両種ともに前期仔魚期に急速に増加した。また,遊離感丘の遊離面の形態およびクプラもこの時期に顕著に発達し,後期仔魚期が始まる段階で多くの遊離感丘はほぼ完成していた。この急速な発達は,両仔魚が河川に生息するための適応と考えられた。一方,遊離感丘の刺激受容方向は感覚細胞の極性から求められ,それは遊離面の輪郭の短軸の方向,つまりクプラがたわみ易い方向と一致していることが判明した。刺激受容方向からみると,体側では体軸の前後からの刺激を受容する遊離感丘が多く,背腹方向のものはわずかであった。頭部では,多くの遊離感丘の刺激受容方向は,眼を中心とした同心円の接線方向にあった。
- 近畿大学の論文
- 1994-03-15
著者
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