風化花崗岩類のセン断特性について : 風化度と粒度の影響について(林学部門)
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概要
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風化花崗岩類の山地に特徴的に見られる表層崩壊の機構の解明を目的として, 山腹斜面のごく表層部の応力状態を考慮した単純セン断試験を行なった結果以下のことが確められた。(1)非攪乱試料の強度定数φは風化の進行にともない減少するが粘着力Cは逆に増加する。これは風化のプロセスに含まれる土壌の粘土化により説明する事ができる。(2)攪乱試料の強度定数φ, Cについても風化度に応じて非攪乱試料と同様の傾向を示すが, 攪乱により, 砂質土に近いセン断強度を示すようになる。(3)これまでに行なったσ_Nの大きい範囲の試験結果と今回の結果を比べるとクーロンの破壊規準の直線が屈折することが確められた。屈折の方向は非攪乱試料と攪乱試料とでは正反対である。(4)攪乱試料の場合, その粒度組成の相異は試料を締め固める際のγ_dに大きく影響し, 風化の進んでいる試料の方が相対的に小さなγ_dをもつ。(5)標準砂をまさ土の強度特性および風化度の規準として用いることが可能である。
- 京都府立大学の論文
- 1980-11-29
著者
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