<ノート>J-J Rousseauの体育思想へのアプローチ : そのII 「公教育思想」の研究を中心として
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概要
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一般に(それが形式的な見方ではあるにしても),ルソー(J-J Rousseau 1712-1778)の著書,「社会契約論」(Du contract social)が公教育の原理を展開しているものとみるならば,「エミール」(Emile ou de I'education)は私教育の原理を展開しているものと考えられよう.しかしながら,「エミール」で,祖国と市民との遊離性をとくルソーの提言をabsolute negationと考えてしまうことには少々疑問が残ると思われるし,むしろ結果的には社会改革を志向するものであったと考えられよう.今回は,ルソーの描いた理想的国家,あるいは社会にふさわしい青年の教育,すなわちルソーが描いた人間像において,そこにみられた身体活動が理想的国家,社会に適応できる人間形式にどのような意義をもたせていたのか,それが個人を研究していく上で必要と思われる客観的多義性に注意しながらも,それがflexibilityをそこなわないように問題の追求を試みるものである.
- 愛知工業大学の論文
- 1972-03-30
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