オスタリー・パーク・ハウス、イーティング・ルームの竪琴の椅子 : 英国家具研究(1)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2001年5月、英国ナショナル・トラスト (The National Trust) が保全管理をする、ロンドン西近郊に位置するオスタリー・パーク・ハウス (Osterley Park House) のイーティング・ルーム (Eating Room) に置かれている竪琴の椅子 (Lyre-back Chairs) の細部写真撮影と実測を行った。本稿はその実地調査とその後の文献調査をまとめたものである。この椅子は、1763-82年の間、オスタリーの当主であったロバート・チャイルド (Robert Child) 氏のイーティング・ルームのために、18世紀後半の英国における新古典主義 (Neo-Classical Style) を代表する建築家のひとりロバート・アダム (Robert Adam) によって1767年頃にデザインされたものである。そして製作は、ロンドンの家具職人ジョン・リネル (John Linnell) 工房によるものと考えられている。本稿では、イーティング・ルームの竪琴の椅子という一つの家具作品を通して、依頼主、デザイナー、家具職人というこの椅子にまつわる背景、施されている装飾モチーフ、使用されている材料や適用された製作技術、置かれている室内の装飾との調和や室内の用途との関係などについて考察し、18世紀後半の英国家具の現実的な姿を探った。
- 共栄学園短期大学の論文
著者
関連論文
- 株式会社天童木工におけるロングライフ家具の特質と開発背景 : 戦後日本における木製家具及びベッド製造企業の家具意匠に関する歴史的研究(3)
- 株式会社天童木工の家具シリーズ・デザイナー・スタイルの変遷 : 戦後日本における木製家具及びベッド製造企業の家具意匠に関する歴史的研究(2)
- 木製家具及びベッド製造企業におけるGマーク受賞家具とデザイナー : 戦後日本における木製家具及びベッド製造企業の家具意匠に関する歴史的研究(1)
- ノステル・プライオリの図書室テーブルと竪琴の肘掛椅子 : 英国家具史研究(2)
- オスタリー・パーク・ハウス、イーティング・ルームの竪琴の椅子 : 英国家具研究(1)
- 家具図録文献目録 I : 明治・大正・昭和戦前期
- 昭和戦前期の百貨店における新作家具展示会にみる家具スタイル(二〇一〇年度研究発表梗概2,二〇一〇年度大会報告)
- 家具図録文献目録II : 明治・大正・昭和戦前期
- 株式会社コスガにおける家具シリーズ・スタイル・デザイナーの変遷 : 戦後日本における木製家具及びベッド製造企業の家具意匠に関する歴史的研究(4)
- シンポジウム「玉座」報告(二〇〇九年度大会シンポジウム報告)
- パネルディスカション 報告(第二部 パネルディスカッション,設立記念シンポジウム「新しい学問を打ち立てる」)
- 戦後日本における主要木製家具メーカーの新作家具展示会の変遷 : 全国優良家具展・東京国際家具見本市・天童木工展・コスガファニチャーショー・ビックフォーファニチャーショー・札幌三社展
- 戦後日本における主要木製家具メーカーの販売促進活動の概要と変遷 : コスガと天童木工の家具販売促進活動の比較研究
- 戦後日本の家具小売業店頭展示の変遷と木製家具メーカーの販促手法 : 家具小売専門店・百貨店家具売場の店頭展示とコスガの販売促進手法との比較研究