<論文>大学生の性意識・性行動に関する報告 : A大学の学生を対象とした調査報告(一般)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
現代の日本において,青少年の性に対する意識や価値観は多様化している。このような価値観の変化に伴い,性行動の積極化・自由化についての報告が多くみられるようになった。また,10代の女性の人工妊娠中絶数の増加や性感染症の増加等,さまざまな性の問題が取りざたされている。このような問題に対応するべく,内容および教材,指導者や具体的な展開例等を含め性教育の充実が求められている。本報告は,大学生の性意識・性行動の実態を明らかにするとともに,現代の若者の性に関する諸問題等に対応する性教育の方向性を考察するものである。大学生の性意識・性行動の実態を明らかにすることを目的として,札幌市近郊のA大学の学生を対象として,質問紙による集団調査を行った。本調査から,大学生の性行動や性意識の特徴として,以下のことが明らかになった。(1)安易な性交 男女ともに,性交経験の年齢は若年化傾向を示しており,性交経験の増加・性交までの期間の短縮化に加え,自分本位な性交の動機が多く,性交は安易に行動化されている。(2)不確実な避妊 性行動の活発化に伴い,避妊の実行率は高い。しかしながら,避妊方法は画一的であり,避妊方法を正しく理解し,用いているわけではない。以上のことから,性教育において性交の意義,性交が互いに及ぼす影響などについて教えるべきであると考える。また,コミュニケーションの手段として,人間関係づくりのひとつとしての性,すなわち「ふれあいの性」について重点を置いて教える必要がある。また,同時に性的欲求の対処法について,科学的に扱うべきであろう。避妊についても,その意義と具体的な方法を,発達段階を踏まえて,社会文化的かつ科学的に教え,意識の向上を図る必要性を痛感した。性教育が,現在の学生の性行動・性意識を規定するのみにとどまらず,次代を担う子どもたちを創る原動力であることを踏まえ,豊かな性と生の教育を構築していきたいと考える。
- 北翔大学の論文
- 2003-02-28
著者
関連論文
- 発言カテゴリーの生成からみる健康相談活動の過程 : 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて
- 094K20205 競技エアロビックの種目特性について : トップアスリートの身体的特性と演技中の心拍数変動(09.体育方法,一般研究発表)
- 急性運動後の脳波beta波帯域の変動
- 北海道における子どもの心の健康問題に関する報告 : 教師から見た子どもの変化と保護者の変化
- 大学生の性意識・性行動に関する報告 : A大学の学生を対象とした調査報告(一般)
- 大学生の性意識・性行動に関する報告
- 大学生の避妊に対する意識・行動に関する報告 : A大学の学生を対象とした調査報告
- 大学生の避妊に対する意識・行動に関する報告 : A大学の学生を対象とした調査報告
- 養護教諭および保健室に関する研究 (1) : 大学生の持つ養護教諭と保健室の印象から
- 股関節疾患を有する中高年齢者におけるボール運動の気分プロフィールへの長期的影響
- 股関節障害を有する医学体操教室参加者の気分プロフィールの変化
- 低強度運動が脳波に及ぼす影響
- 低強度運動が脳波に及ぼす影響