<資料>献体登録による認識の変化についての一考察 : 「くまもと白菊会」会員のインタビュー調査より
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
熊本大学医学部の中に事務局を置く「くまもと白菊会」に, 平成13年度に献体登録者として新規登録した52名の会員の中から10名を選び, その人達にインタビューを行った。インタビューは半構成的面接法を用い, 年齢, 職業, 家族背景, 宗教の有無, 献体登録の動機, 家族の許可を得るための働きかけの仕方, 死にたいする思い, 献体登録の動機, 献体登録前後の心境の変化, 人生の生きがい, 目標にするもの等を中心に, 自由に話してもらった。その内容をエピソードごとにまとめたところ49のグループに分けられた。それらの共通性, 相違性に着目して抽象化し質的に分析していった結果, 最終的に献体登録者の登録に際しての認識の変化について以下の2つの内容が明らかになった。1)死の恐怖感がなく, 死後の自分の葬儀についても具体的なプランを生前よりもっており, また死後のボディイメージを認識しているという死生観の成立がみられ, また心のおちつきと, 安心感が認識できているというように心の安定が得られている。2)自分の力で生きていく力があり, 死ぬまでは元気な身体でというように積極的な自力による生の意志がみられ, また恩返しという認識があり, 自分以外の他人のために生きていくというボランティア精神にあふれている。
著者
関連論文
- 献体登録による認識の変化についての一考察 : 「くまもと白菊会」会員のインタビュー調査より
- 献体登録者の精神の健康についての一考察 : 献体登録者の手記の分析より
- 宮崎県立看護大学における教育課程の構築とその評価
- 何を伝えよう,どう伝えよう,新カリ時代の具体策(7)"自己理解"を目的に,構成的エンカウンターおよびグループワークを試みて
- 臨地実習 プログラムと指導の実際(6)精神看護学/宮崎県立看護大学 患者の内的世界の追体験を重視する精神看護学実習
- 初対面の患者における看護現象の情報化の構造とその検証 : 精神病院での女性患者の看護実践の分析を通して
- 実践報告 精神障害者小規模作業所での体験実習指導--1年生前期の「フィールド体験実習1」