<原著>初対面の患者における看護現象の情報化の構造とその検証 : 精神病院での女性患者の看護実践の分析を通して
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概要
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本研究は, 初対面の患者に対し, 看護実践を発展的に継続するための看護現象の情報化に関する知見の検証を目的とする。研究対象は某精神病院に入院中の女性患者に初めて関わりをもった看護場面における看護職者の認識である。研究方法は, まず筆者自身が関わった性質の異なる5事例との初対面の看護場面を, 看護職者の認識に焦点を当て, 感情とそれ以外の認識に分けて分析できるフォーマットを用いて再構成した。その後, 各看護場面の看護職者の認識を, 状況の流れに沿って個別性を捨象しつつ性質をとり出す科学的抽象法を用いて分析したところ, 以下の4つの項目の認識の特徴を抽き出すことができ, 1,3,4の項目は看護実践を発展的に継続するための看護現象の情報化に関する知見として検証できた。1.看護職者が患者に対し, 自己の心情を語り, 自己開示を行うと, 患者は看護職者に関心をもち始め, 互いの感情交流が深まる。2.看護職者のタイミングのよい反復された働きかけで, 患者は自分だけの世界から自分以外の世界への事象に関心を持ち始める。3.看護職者が, 患者の顔の表情や態度などの変化から精神状態を予測した働きかけをすることで, その後の看護実践が発展する。4.看護職者が患者の立場を理解できると, 次の看護実践へのとりかかりが容易になる。
著者
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