<資料>献体登録者の精神の健康についての一考察 : 献体登録者の手記の分析より
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概要
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献体登録者と身近に接する体験から, 登録前後の心境の変化を精神の健康の観点からとらえ, 精神保健行動を明らかにすることを思いたった。その第1歩として財団法人, 日本篤志献体協会が発行している文集「私と献体」の第12集から第17集の6冊に掲載されている献体登録者の手記の中から, 献体登録後に語られている内容を分析した。その結果, 以下のことが明らかになった。1)献体登録をして恐怖感がなくなり, 心の安らぎが得られている。さらに生きる意欲につながり, お世話になった人達に感謝しながら死への準備ができるといった心境の変化がみられた。2)献体に至った動機として医学や社会, あるいはお世話なった医療職の人達のために役立ちたいとか, 自分の死生観を形に表わしたかったといった内容がみられた。3)献体登録の決断によって, 死に対する恐怖感がなくなり, 死をあるがままに受け入れるといった自分自身の死生観が明確になっている。4)死後のボディイメージを身近にすることで, 献体する以前にくらべ, より健康に気をつけるようになり, 教育機関を利用した学習や, 社会への奉仕をしたいといった積極的な生き方へ認識が発展している。
著者
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